季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

竈馬(かまどうま)

そういえば秋の季語に虫が多い。しかし紹介するには時期すでに遅し、というところか。寒くなってからも見かけるのが竈馬。昔はコウロギと混同されていたようで、竈馬が鳴くような俳句もあったようだ。しかし、羽がないわけだから鳴くこともない。

名前の由来は竈あたりに棲みつくから。少し肌寒くなってきたころ、実家の暗がりで見つけたものだ。

ところで竈馬という名前、本来は繁殖牝馬のことを言うようだ。

手に乗せて勝手の違ふ竃馬 高澤良一