季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

大歳(おおとし)

大歳は大晦日のこと。数えでいえば明日で一つ年を取る。
一昨日から『良寛の恋・炎の女 貞心尼』(工藤美代子)を読んでいる。良寛70歳、貞心尼30歳という出会いである。どうしても年齢が話題になる。そこで書き手の工藤は作家の森瑤子さんの話をする。「あなたねえ、女は若い方がいいって男は思っているみたいだけど、そうとも限らないのよ。だってねえ歳取った雌鶏ほどいいスープができるっていわれているのよ」そう言ってにやりと笑った、と。
まあ、強がりだろう。
大年の鼻まで風呂につかりけり 龍岡晋