季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

初鴉(はつがらす)

新年を迎えて、初めてカラスの鳴き声を聞いたり姿を見ることを初ガラスという。昔から身近な鳥だったようである。
1月の半ばになったころ、どんど焼きの風習が各地にある。しめ飾りなどを燃やす。どういうわけかその時には母と私しかいなくて、早朝焚火をした。燃やしながらワーホイと叫ぶ。空に向かってやったから、鳥に向かって叫んだようだ。対象がはっきりする大きな鳥と言えばカラスしかいない。
なんだか、夢の中のようだ。凍える夜明けに母と二人で焚火をしながら、ワーホイ、ワーホイと叫んでいる。
初鴉黒をおのれの色として 加藤有水