季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

鞦韆(しゅうせん・ふらここ)

ブランコのことである。それにしても謎だらけである。どうしてブランコが春の季語なのだろうか。そもそも何語なのだろう。
調べていくと、鞦韆は中国では性的な遊びだったとか。宮女が乗って裾から素足がのぞく。それを皇帝がみて夜伽に誘う。
ブランコは子どもの乗りものだが、そういえばバブルの頃の結婚式で新郎新婦がブランコで登場するようなものがあった。名残なのかと考えてしまう。
それにしても、現代社会では、ブランコに一人腰を降ろす姿には寂しいものがある。
ぶらんこのうしろすがたは呼びかねつ 加藤秋邨
鞦韆に抱き乗せて沓に接吻す 高浜虚子