季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

水馬(あめんぼう・みずすまし)

どうやら正式な名称はアメンボウではなくてアメンボのようだ。漢字で水の馬と書く。なるほど、この字を当てた人は、アメンボのことを水の上を駆ける馬のように感じたのだろうか。
子どものころ、雨が降って庭に水たまりができると、どこからともなくやってきた。足のところだけ水面がへこんで、動きも早い。捕まえてにおいを嗅ぐと、確かに飴のような甘いにおいがした。表面張力を利用していて、石鹸などを溶かした水だと表面張力が働かないからおぼれてしまうという。
水面を揺らすと、獲物と勘違いして寄ってくる。蜘蛛の巣のようだ。
最近見ないが、種類によっては絶滅危惧種になっている。
季語の水馬はあめんぼう以外にみずすましとも読むが、みずすましはまた別の生き物。
水神のおはじきあそび水すまし 大串章