季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

白絣(しろがすり)

白絣とは、白地に藍や黒でかすり模様を表した織物のこと。とはいえ、絣(かすり)と紬(つむぎ)の違いも分からないほど織物からは縁遠くなってしまった。

母の縫ってくれた着物があるが、何十年と着ていない。縫ってくれたといえば、この季節には似合わないが褞袍がある。その母が亡くなって30年がたつ。

白絣は女の人も、そして男の立ち姿としてもいい。涼しげだ。最近は着物だけでなく、シャツのデザインとして着こなす人もいる。新型コロナウイルスで、白絣柄のマスクをしている人をみた。

亡き妻のたたみしままや白絣 小早川恒