季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

山清水(やましみず)

強い日差しのなかを歩いて、崖から湧き出ている清水に出会う。ご馳走ともいえる。思わず顔も洗って、涼を味わう。小石の上を流れていたり、苔の上を流れていたり。清水の景色もさまざまだ。

高校生の頃、童話を書いたことがある。流れている水のなかに光る小石があって、小さき者がそれをとってくれというので、水のなかに入ってとってきた。しかし、それは水のなかでのように光っていなくて、ただの濡れた石だった、というもの。

顔ふって水のうまさの山清水 河野南畦