季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

西瓜(すいか)

夏の季語と思われがちだが、スイカは秋の季語である。いずれにしてものどが渇いた時のスイカはありがたい。井戸のなかや山地では清水の流れに浸すなど冷やして食すために工夫する。

重いからか、西瓜売りが車に積んで売りに来た。最近はスーパーで買う。皮の部分がゴミになってしまうので、一口サイズに切ったものを買う。しかし、あの、大きなスイカに包丁の刃を入れる楽しみが味わえない。じゅうぶんに実ったスイカは叩くと音が響く。歯を入れると切るよりも前に割れてくれる。

私は種も一緒に食べる主義である。盲腸になるから、と言われたこともある。瓜のようにまとまって種があるようなら取り除きやすいのだが、スイカの種は分散していて除きにくい。

鉢巻をときて顔拭く西瓜売り 横田和子