季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

蓑虫鳴く(みのむしなく)

蓑虫はある種のガの幼虫。雨具の蓑に似ているところから蓑虫といわれる。木の枝などにぶら下がっている。

子どもの頃、千代紙などを細かく切って箱に入れておくと、千代紙の蓑虫ができたものだ。その蓑虫も近年では絶滅危惧種に指定されているのだとか。天敵が現れたらしい。

これも鳴くことはないのだが「蓑虫鳴く」が秋の季語にある。昔は、静けさのなかで聞こえるものを、いろいろに想像したのだろう。俳句をみていくとチチヨと鳴くとする句が多い。

蓑虫にちちよと呼ばるる覚えなし 林翔