季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

穴惑い(あなまどい)

秋になると、蛇が何匹も集まって、穴を探すという。蛇の苦手な私には、どうしてこんな季語があるのだろうと考えてしまう。ほんとうにこういう光景があるのだろうか。無事穴に入ると「穴に入る」という季語がある。だから、穴に入ることを逡巡している光景とも言える。

1匹だけならまだしも、何匹もが集まっているのはいい加減にしてくれ、と言いたくなる。春には「蛇穴を出る」などの季語もある。蛇は年中句に詠まれる。

穴まどひ消えて月日のいそぎ足 内田雅子