季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

栗飯(くりめし)

秋になると食べ物もおいしい。秋は炊き込みご飯の季節でもある。栗を炊きこんだ栗飯のほかに零余子(むかご)飯、松茸(まつたけ)飯など季語の世界でも炊き込みご飯が多い。

零余子など、へえそんな漢字なのかと改めて知る。自然薯や長芋の腋芽が養分を蓄えて球状になったものというが、ここでも腋芽など私のボキャブラリーにはない。

栗飯についても、鬼皮と渋皮をむきと本にある。これも、あの固い皮のことを鬼皮というんだと、改めて知る。

子どもの頃の炊き込みご飯と言えば、ご飯の量を増やすためのもので、芋やカボチャなどが使われた。それも毎日だと嫌いになるのもしょうがない、と思える。

現代の炊き込みご飯はむしろ風味を味わうため、という感じだ。酒やみりんを加えたり、もち米を混ぜたり。

栗飯や栗の多きを御仏に 今泉貞鳳