2020-11-14 湯豆腐(ゆどうふ) 湯豆腐はあまり華やかなところで食べるものではない。ましてやひとり薄明かりのなかで食べているとなると、寂しさがひしひしと伝わってくる。いのちのはてのうすあかり。そうそう言えるものではない。 希望もなく、冷えたからだ、のど越しに熱いものが降りていく。冬の季語が生きている。 湯豆腐やいのちのはてのうすあかり 久保田万太郎