季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

鼬(いたち)

子どもの頃、鼬がいた。と言っても「あっ鼬」という間にいなくなっている。一瞬庭を横切るだけ。ところが、鼬がやった、というような跡を見ることはよくあった。鶏小屋で鶏が死んでいたものである。

小学校に入るようになって、鼬のはく製を見た。胴長で、牙があった。

鼬のはく製とならんであったのは、人体模型。ガラス張りのケースに入っていて、しかし教材として使われたことはなかった。

鼬かな月夜の庭をよぎりしは 落合緑雨