季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

牛蛙(うしがえる)

昨日に続き蛙の話。雨蛙に比べればずっと大きな牛蛙。食用にアメリカから輸入した。餌としてアメリカザリガニも輸入されたというから、両方とも今では日本の沼で大きな顔をしている。
牛蛙、春先に沼にとりに行って、その場で皮をむいて足だけ家に持ち帰った。後ろ足の小指のところからだときれいに剥ける。家では、塩を振って焼いて食べるのである。牛蛙は卵に特徴があった。塊になるのではなく長いひも状になっている。いろいろなことを思いだす。
20年ほども前のことだが、江戸川の矢切、調整地になっている小川に子どもとよく遊びに行った。大きなオタマジャクシを捕まえたものだ。1匹を、庭のたらいを埋めてつくったビオトープに入れて、それが蛙になって牛のような鳴き声をあげていた。ウキペディアによると、「ニャー」と猫のように鳴く個体もいるという。
そう、子どもと網を持って出かけたことがあった。水面に浮いたゴミを掬うと、鶏くらいのもぞもぞと動くものがあって、それが牛蛙。一足飛びでいなくなったが子どもとともに驚いた。今頃になって思いだして、娘と笑う。
牛蛙底なし沼の息づかひ 藤原かかし