季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

寒造り(かんづくり)

温度管理がしやすい冬場は酒造りの季節である。以前、杜氏さんに聞いたことがあるが、麹の発酵を抑えられる冬場に酒を造ることによって、いい酒ができると。のびのびと発酵させずに、発酵したいところを苛め抜くといい酒になるのだとか。

寒いから雑菌が繁殖しにくいということもあるのだろう。農閑期で、農家の人が杜氏さんとして冬場働く、ということも。

下の句、土間のでこぼこは懐かしい。広い土間はでこぼこができる。削るのだが、またでこぼこになる。あれは不思議。

くらがりの土間のでこぼこ寒造 村上青史