季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

煮凝り(にこごり)

煮凝りという季語には「朝餉かな」と続けたくなる。そのくらい朝の食卓で出会うものだった。子どもの頃、熱いご飯に煮凝りはご馳走になった。大騒ぎをしている子どもたちを前に、母は面白そうな顔をしている。
大人になって、呑み屋で煮凝りをたのむと、なんだかわざと作ったもので、今一つ心躍りがない。
煮凍につめたき腹や酒の燗 正岡子規