季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

南瓜(かぼちゃ)

子どもの頃、どてかぼちゃ、おたんこなすと悪口を言ったものだ。いまでも生きている言葉だろうか。意味も知らずに使っていたが、間抜け、用無し、役立たず、といった意味で使っていたと思う。

土手に野生化したかぼちゃは旨くない。おたんこなすは、小ぶりの茄子のこと。秋になると小さい茄子しかならなくなる。一説には炭鉱の土地の茄子とも言われている。じゅうぶんな肥料のない土地の茄子。

南瓜といえばほうとうが有名か。冬になるまで土間に転がっていた記憶もある。

子どもの頃は夕飯に南瓜ばかりで、あまりうまいと思ったことはない。この頃はほくほくして旨いと感じる。

最近は巨大かぼちゃのコンテストや、くりぬいてお化けを作ったり、食べる以外の用途が多い。

南瓜より茄子むつかしき写生哉 正岡子規