季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

胡瓜揉(きゅうりもみ)

農事が忙しくなると昼食などは間に合わせになる。その代表的なのがキュウリ揉みだったのではないか。スーパーで売っているような程よい大きさのものではなくて、刻めばドンブリ一杯になるようなキュウリを素早く母が作る。スーパーで買う人には分からないだろうと思うが、キュウリは大きくなるものだ。野球のバットくらいにもなる。
刻んだキュウリを酢と砂糖で揉めばいいわけだから、すぐに食べられる。酢と砂糖は意外に相性がいい。私も母を真似て、この年になって胡瓜揉みを作る。大量に作って、大量に食べる。
よき妻にありたき願ひきうりもみ 小松章枝