季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

霜降カマス(しもふりかます)

カマス、アマダイの味に似て旨いというが、子どもの頃自転車で売りに来た魚屋のカマスはあまりうまいと言えなかった。覚えている風景は、母と小学の頃の私。田で何かしていて、魚屋が来て家の方に上がり、求めたカマスを台所で焼き、冷や飯と一緒に食べた。秋も深まった、というか冬に入りかけたというか、寒さのなかでのつましい昼食だった。

銀飯に霜降かます海に星 小川めぐる