季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

紫陽花(あじさい)

花をつけたことのない庭の紫陽花が一輪だけ咲いた。花の咲かない場所塞ぎで肥料もあげたことはなかった。しかし咲いてみると嬉しいものである。雨の日にもよく似合う。
いまでこそ花屋の軒先に並ぶが、色の変わる紫陽花は移り気といわれて敬遠されがちだった。店先の紫陽花を見て思うのは、新種の多いこと。見なれない紫陽花が並んでいる。派手なのもいいが、薄緑色の、葉と間違えそうな色もいい。
紫陽花には『四葩(よひら)』『七変化(しちへんげ)』といった季語もある。
紫陽花や甘えて鯉の裏返る 古舘曹人