季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

梅雨(つゆ)

梅雨は一般に「つゆ」というが、天気予報などでは「ばいうぜんせん」という。私の田舎(水戸)の方では、年寄りたちは梅雨のことを入梅(にゅうばい)といった。梅雨入りの時だけに使うものを勘違いしているのかも知れない。
梅雨の季節はまた独特の天候で、季語も豊富だ。梅雨の始まりの頃を『走り梅雨(はしりづゆ)』、終わりの頃を『送り梅雨(おくりづゆ)』、終わりかけてまた降る雨を『戻り梅雨(もどりづゆ)』、そのほか『梅雨空(つゆぞら)』や『梅雨曇(つゆぐもり)』などともいう。
会社勤めをしている時、考え方の習慣を変えようとして、寝起きに雨の音がしていると「嫌だな」と思うのを「私は雨をどうして嫌だと思うのだろう」と自己想起のトレーニングに使ったものだ。いわば、環境に自動反応しないように。どうしてそんなことを考えたのか、今となっては思い出せないが。
梅雨深きことも仏の心かな 星野椿