季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

蓮の浮き葉(はすのうきは)

蓮はまず浮葉、蓮、蓮の花、蓮の実、敗荷、枯蓮と1年を通じて季語となる珍しい植物。
初夏の今頃、蓮はまず水面に貼りつくように葉をつくる。その後、茎が育って巻いたような葉が伸びてきて、水面から離れたところで葉をつくる。水面から離れた葉が本葉(立ち葉)で、水面についた葉は幼葉(新葉)とでもいえるもの。
浮き葉が水面に現れ、水がころころと玉になっている風景。花をつけるのとはべつの心躍りがある。
これもビオトープの話で恐縮だが、庭に作った池に蓮を植えた。2、3年葉をつけて花も咲いたが、いつの間にか消えてしまった。関心をなくしたから消えてしまったのか、消えてしまったから関心をなくしたのか。
水よりも平らに蓮の浮葉かな 鷹羽狩行