季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

迎え梅雨(むかえつゆ)

猛暑が続いて、いよいよ地球もおかしいとか感じていたが、今度は冷たい雨の日が続く。変わりやすいのがこの時期の天候なのだろう。夏バテという言葉があるが最近は春バテ、秋バテがあるのだという。変わりやすいこの時期こそその変化に身体がついていけない。
迎え梅雨という季語がある。もう梅雨入りかと思うようなぐずぐずした天気。だが、ながくは続くまい。日差しの強いなかで一気に咲いた薔薇が雨のなかで長持ちしている。こういう幸いもあると考えてみる。
そういえば、走り梅雨という季語もある。こんなにも木の葉の緑が美しかったかと思わせる。長引くであろう梅雨の予行演習のような日が続く。
雨続きだと梅雨でもないのに梅雨を使う季語もある。菜種梅雨、すすき梅雨、さざんか梅雨。雨が3日も続くと、今度はいよいよ地球もおかしいとまた感じるから勝手なものだ。
居直ってじだらくな梅雨迎えんか 高澤良一