季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

縞泥鰌(しまどじょう)

ドジョウと言えばドジョウ鍋、柳川鍋など食べることに関心が向きがちだが、先にも書いたように田んぼでドジョウ掘りもした。そして、小川の水が温くなるころ、網をもって川に入ったものだ。童謡にあるように、さらさらと流れている水。川底が泥ではなく砂地になるといっそうさわやかな流れに感じられる。そういう、砂地の流れで縞ドジョウがとれた。だから、砂ドジョウとも言った。
夢から覚めるように現実に戻る。いったい、あの縞ドジョウはどこに行ってしまったのだろう。水の感触とともに思いだすが、そういう出会いはもう二度とないのだ。
ドジョウと言えば夏の季語。ドジョウ鍋やドジョウ汁も。また、ドジョウ掘ると言えば冬の季語。
しまった、しまった。ドジョウ鍋やドジョウ掘るの俳句は多いが、さすがに縞泥鰌の俳句が見当たらない。