季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

月下美人(げっかびじん)

孔雀サボテンの花。夕方から夜に花をつけて、朝にはしぼんでしまう。
この時期、鉢植えの月下美人が数年咲いたが、ある年の冬、庭に置きっぱなしにして枯らしてしまった。にょきにょきと伸びて、夕方花をつけたものだ。大ぶりの花だった。昨日、夕顔についてあまりいい形容をしなかったが、月下美人は美しい。
昭和天皇が台湾を行幸したさいに見かけてこの名をつけた、となにかの本で読んだことがある。ほんとうだろうか。
中学校の温室に月下美人があって、初めて見た。月下美人というが必ずしも月の夜とは限らない。また、年に一度しか咲かないと言われているが、ひと夏に何度か咲いたものだ。
人待つごと月下美人に正座かな 野辺祥子