季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

春菊(しゅんぎく)

ほろ苦い春菊。子どもの頃、春菊の天ぷらがお弁当に入っていた。子どもの頃はあの苦さが苦手だった。「お弁当に春菊は嫌だなあ」と母に言ったことがある。そんな注文を付けたことは春菊くらいしかない。母は「ほう、そうか」と言って笑った。

春菊の思い出はそのくらいだが、今でも春菊の香りが苦手である。

春菊を洗へば水も香を放つ 鷹羽狩行