季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

片蔭(かたかげ)

冬の間は道を歩くのに日の当たるところを選んで歩いたものだが、いつの間にか日陰を選んで歩いている。片蔭、何のことはない道が片方だけ陰っているというだけのことだが、季語になっている。それだけ季節を感じる現象と言えるのだろう。
片蔭のほうだけ人が多く歩いていたり、子どもだけ狭い片蔭を歩かせている母親がいたり。
日差しの強いところでは気づかなかったが、片蔭を歩いていると、店の奥にまで目がいく。
片蔭の家の時計を覗きけり 橋本鶏二