季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

昼寝(ひるね)

午睡ともいう。保育園では昼寝が日課に入っている。どのような効用があるのか企業でも認めているところがある。

昼寝で思いだすのは母のことである。この時期、田の雑草をとるために田んぼじゅうをはいずりまわる。むくんで手の甲が膨らんでいる。昼に上がってきた母は軽い食事をして昼寝をする。足は汚れているから、小縁に足を突き出して。失業中の私は手伝いもせず家でゴロゴロしている。母は情けない私を責めもしないで眠る。

土間に10数個のスイカが転がっている。のどが渇くと母はスイカを食べてまた田んぼに向かう。

方丈をなのめに断ちて昼寝かな 日野草城