季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

水盗む(みずぬすむ)

田植えが終わると、水をたっぷりとたたえておく必要がある。
気温が下がったりすると、苗にとって水は布団のようなものである。女手によって隣近所が助け合って田植えをした後、今度は主に男どもによって、水の確保が行われる。田んぼを見て回りながら、さりげなくよその田に流れていた水を自分の田に流れを変える。そんな争いが隣近所で行われるのである。
兄弟の力合わせて水盗む 太田敬