季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

木守柿(きもりがき)

秋の風物として柿が好きだ。柿の紅葉がいい。深緑と赤の混じった、独特の色合いである。子どもの頃、柿の木にもよく登った。

柿の食べごろというにはまだ少し早い。だが、心待ちにしている気持ちもいい。

季語に木守柿というのがある。柿を収穫したあと、2個3個枝の先に残しておく。翌年も多くなるようにというおまじないだが、田舎の方ではそうは言わなかった。秋深くなって食べるものがなくなった鳥のために、と言っていた。

初恋の空思ひ出す木守柿 凡茶